入居を迷っている方へ：自宅介護と施設介護のメリット・デメリット

高齢のご家族の介護を考えるとき、「自宅で介護を続けるべきか」「施設に入居した方がよいか」と悩む方はとても多いです。どちらにも良い点・注意点があり、ご家族の状況や介護を受ける方の希望によって最適な選択は変わります。今回は、自宅介護と施設介護のメリット・デメリットを整理し、判断の参考になる情報をお伝えします。

～自宅介護のメリット～

◇住み慣れた環境で安心できる
　長年暮らしてきた家は、心身にとって大きな安心材料です。家具や思い出の品に囲まれ、リラックスして生活できる点は自宅介護の大きな魅力です。

◇家族との距離が近い
　日々の食事や会話を共にできるため、本人も家族も安心感を持ちやすいです。

◇費用を抑えられる場合がある
　介護サービスを必要に応じて利用することで、施設に入居するより費用を抑えられるケースもあります。

～自宅介護のデメリット～

■家族の負担が大きい
　介護は身体的・精神的な負担が大きく、介護する家族の健康や生活に影響を及ぼすことがあります。

■介護サービスの限界
　在宅サービスだけでは、24時間の見守りや医療的ケアが難しい場合もあります。特に夜間や緊急時の対応は不安要素となりがちです。

■住環境の整備が必要
　段差解消、手すり設置、ベッドや介護用トイレなどの導入が必要になり、費用が発生することもあります。

～施設介護のメリット～

◇専門スタッフによる介護
　介護職員や看護師が常駐している施設では、身体介助や医療的ケアを安心して任せられます。

◇24時間の見守り体制
　夜間や緊急時にも対応してもらえるため、ご家族の安心感につながります。

◇交流の機会が増える
　同年代の入居者と交流できるため、孤独感が軽減され、生活にハリが生まれる方も多いです。

～施設介護のデメリット～

■費用が高額になることもある
　入居金や月額費用が発生し、自宅介護に比べると負担が大きくなる場合があります。

■生活の自由度が制限される
　食事や入浴などが施設のスケジュールに沿って行われるため、自宅生活に比べて自由度が下がることがあります。

■環境の変化にストレスを感じる場合も
　新しい環境に慣れるまで不安や寂しさを感じる方もいます。

～判断するときのポイント～

〇介護する家族の体力・生活状況
　介護の担い手が仕事や健康にどれだけ影響を受けるかを考えることが大切です。

〇本人の希望
　「できるだけ自宅で過ごしたい」「安心できる環境でケアを受けたい」など、ご本人の想いを尊重しましょう。

〇経済的な余裕
　費用面も大きな要素です。長期的に続けられるかどうかを見極めましょう。